卓展2017

卓長としての活動について

ここでは卓長として行った活動、仕事について説明します。また、卓を運営する上で何に気をつけたかも説明します。

事前準備

どんな卓にするか

友人からの提案

卓を開くには「どんな卓を行うか」を決めなければなりません。Xequalはかなり早い時期に、三月あたりで決まりました。共に卓長として活動した暖房が提案してくれたのです。
彼曰く「面白い体験ができる、触れる展示がいい」とのことでした。我々が教えることのできる分野としては、プログラミングとUXになります。この二つを教えつつ、かつ触れる展示を目指すことになりました。
何度かミスドで打ち合わせを行い、最終的には「アイディア出しの手法を用いて自身の体験価値を導出し、それを満たした作品をプログラミングで実装する」というコンセプトとなりました。

卓活動のシミュレーション

卓を開くことが確定し、卓での活動はどうしようかという話になりました。おおまかな活動スケジュールを週単位で決めたのち、卓で行うアイディア出しのワークショップを実際に二人でやってみようという話になりました。
私がアイディア出しで提案した手法は、マンダラートKJ法でした。マンダラートは累積的UX・行為の意味の抽出、KJ法は体験価値(本質的ニーズ)の導出に用いました 。

暖房と共にマンダラートを行い、KJ法を行いました。

見出しになる語が自身の体験価値を示しているとし、またグループがかぶるものは複数の体験価値を満たすものとして使うことにしました。

卓の名前

活動内容を決めたあたりから私の中で「Xequal」という案が浮かんでいました。
例年の傾向からすると、名前からどのような活動の卓か推測できる卓が多く感じます。しかし、我々と似た活動の卓はないと思われることから、推測できる名前である必要がないと考えました。(のちにWebの卓と混同されました。)
名前の由来は卓の活動から来ています。「UX(X:experience)とは何か」「自身の体験価値(X:解)とは何か」「プログラム(X:変数)でどう実装するか」。以上の三つの「X=」から「Xequal」となりました。(のちにこの名前が検索に弱いことが判明しました。)

卓のロゴ

暖房が「Xequal」という名前を快諾したので、次はロゴ作りになります。私はロゴ作りの本を読み、IT系に用いられる要素を元にデザインを決定していきました。IT系企業のロゴは青系フラットパスが主流のようです。
形状は「X」と「=」を取り入れ、バランスを考慮して小さい四角5つで隙間を埋めました。向きに関しては、「X」が「+」に見えないよう、「=」を斜めにした角度にしました。メインカラーとして系統の異なる青を二色、ワンポイントにオレンジを入れ、余りにはグレーを用いました。色の彩度に関しては、カラーコードに使用する16進数の各値を統一、差も統一しました。作図はパスを用いて、きつい印象を与えないように角を丸くしました。

ロゴはIllustratorで作成しました。「X」や「=」をデザインに落とし込む方法を模索しています。

ロゴの展開です。フォントは源柔ゴシックを使っています。

楽しい卓にする

卓長二人の間には「楽しい卓にする」というテーマがありました。
毎年卓展に参加していた私はこの活動を様々な経験ができる有意義な場であると思っています。ゆえに我々の卓に参加する後輩たちには来年以降も積極的に参加してもらいたいと考えていました。積極的な参加、つまりは卓というツールの利用意欲を生み出すためには「卓は楽しいものだ」という行為の意味を得てもらう必要があります。Xequalを卓の原体験に、卓そのものの「価値」を形成したかったのです。

卓の活動を楽しくする方法として考えたのは、「卓長達自身が楽しむ」というものでした。我々の思う「面白いこと」を実際に行って見せれば、「卓は楽しむものである」と思ってもらえるのではないかと考えたのです。また、それら我々の行動が、Xequalという卓の理解につながると考えたのです。

後輩への広報と募集

プレゼンについて

内容を絞る

各卓を広報する最初の機会としてプレゼンがあります。後輩に参加してもらうためには、どんな卓であり活動内容・作品はどういうものかも伝え、興味を引かなければなりません。活動内容の詳細はのちに行われる顔合わせで説明すれば良いので、伝えるべき内容は「卓の名前」「プログラミングとUXが学べること」「制作内容」となります。(のちにweb卓と活動内容の違いが分からないと言われました。)
以下が私の作ったスライドになります。

インパクトのある方法

内容は真面目に、しかし「楽しく活動する卓」であることを行いたいと考えました。
結果、採用した方法は「仮装をしてプレゼンを行う」というものでした。暖房は趣味で着ぐるみを作っており、それを着てプレゼンを行えばインパクトもあり楽しんでいる様子も伝わると考えたのです。当日、暖房の調達した白衣を互いに羽織りHMDを身につけ、私は「はかせ」として、暖房は「おおかみ」としてプレゼンを行いました。

登場時は会場がざわざわとしました。普段の我々を知っている人からすれば、何をふざけているのかとなります。(のちに一部の同級生に引かれていたことが分かりました。)
登場時の空気は良くありませんでしたが、なんとか「はかせ」と「おおかみ」をキャラクターとして認識してもらえたと感じました。
「おおかみ」は話すことができないため、私がプレゼンを行います。プレゼン中はところどころ後輩たちから反応があり、なんとか上手くいったという印象でした。(のちに、ソーシャルゲームのガチャを回す動画の受けが良かったことがわかりました。)

webサイト

プレゼンはおおまかな内容ですので、より詳細を知りたい人のためにwebページを用意しました。プレゼンを文章化したものであり、プレゼンを見れなかった人への対応でもあります。
また、ブラウザで検証を行うとweb卓のサイトURLを表示するようにしていました。

メンバー募集について

用紙

プレゼン後、すぐにメンバーの募集が始まります。別棟の開けた場所に各卓の募集用紙が貼られ、参加を希望する学生はここに学年や名前などを記入します。
毎年募集用紙は卓の特色を表現したものが多く、我々もまた変わった方法で掲示できないか考えました。だいたいの卓はA4やA3などの規格用紙を張り出すため、形状として特殊な、また文章を書く用途に用いられる紙製品を利用しようと考えました。特に、非日常的な書く行為を再現できればと考えました。
結果、採用した用紙は「色紙」です。

Xequalという人物に当てた寄せ書き風の募集用紙です。

想定した人数以上の参加希望がありました。白い線で消してあるのは連絡先です。

自身の情報を寄せ書きという非日常的行為で記入する、その噛み合わなさが面白いのではないかと考えました。(しかし、寄せ書き風に書いてくれる人はいませんでした。)

質問対応

用紙が貼られた空間には、どの卓に参加しようか迷っている人もいます。彼らが質問をできるように卓長たちもその場で待機するのですが、ここで仮装が役に立ちました。
我々はプレゼンを終えた後、そのままの格好(暖房は頭と手を外しました)で向かいました。我々は白衣を着たままのため一目でXequalの卓長であることがわかり、Xequalに興味のある後輩はすぐに質問することができます。(しかし、実際に質問してくれる人は多くありませんでした。)

募集人数のオーバー

当初、卓長2人で面倒を見切れる限界として参加人数8名という制限をかけました。一年生を優先的に取り、残りの枠はジャンケンで決める予定でした。
しかし、思った以上の参加希望があり21名が集まりました。このままでは卓の活動が厳しいのでメンバーを減らさなければなりません。ただ、参加希望者の内一年生は4人であり、残り4名を2、3年生から選ぶというのは忍びないと思いました。そこで、参加希望の3年生8名には研究員という形での協力をお願いしました。我々と一緒に下級生への対応を担ってもらおうとしたのです。
これによって1人も減らすことなく、かつメンバー上限枠を増やすことができました。また、3年生は卓長達以上の技術があるため、後輩への指導もより良いものとなりました。

募集締め切り

参加希望者には卓メンバーとして受け入れた旨を伝えなければなりません。そのため以下のような紙を貼り出しました。

学籍番号の下には「はかせ」「おおかみ」とのちに追加された「MC」を不採用とする旨を載せました。今後はこのようなキャラクターは用いず、真面目に活動を行うためです。
また、その下には今後の日程や私の連絡先を掲載しました。

15週間の活動

5/10 顔合わせと決起会

真面目に行う

卓長達によるプレゼンから二週間後、参加を希望したメンバーと顔合わせを行いました。活動そのものを適当に行わないよう、プレゼンの時のような格好はせずに事務的に行いました。
自己紹介や大まかな日程の確認などを行い、ワークショップ用のグループ分けを行いました。グループ分けではアイディア出しの時により幅の広い案が出るよう、できる限り趣味の異なる人同士、男女比もあまりバラつかないように気をつけました。
自己紹介時にどんな作品を作りたいか質問したところ、VRが多かったのが印象深かったです。(プレゼン時にHMDを持っていったのが影響しているかもしれません。)
諸々の決め事などをした後、決起会を行いました。

活動の計画

残り14週間の前半は「UX座学」「プログラミング座学」「ワークショップ」、後半は「個人制作」「展示準備」としました。
急に作品を作ることは難しいので最初は座学を中心に組みました。「ワークショップ」で行うアイディア出しには時間をかけることとしました。UXを考慮した制作を行う上でアイディア出しは特に重要であるためです。
実装に当たる「個人制作」を後半に集中させたのは、アジャイル型開発であれば最終的に完成せずとも最低限触ることのできる作品ができると考えたためです。(後半の初めは講義の試験などがあり制作が進みにくかったようです。)

5/17~ 座学とワークショップ

UX座学

私の担当であるUX座学では、UXの基礎をスライドで説明しました。私がUXの基礎として面白いと思う点や体験価値など今後役に立つと思われる内容をメインに講義を行いました。ワークショップにどのような意味があるかなども合わせて説明しました。

プログラミング座学

暖房の担当であるプログラミング座学では、プログラミングとはどのようなものかなど初歩的な内容から、実際にprocessingを用いてコードを書くなど行いました。3年生が補助的に1年生へ教えるなど、協力してもらいました。

ワークショップ

事前準備で行ったマンダラートとKJ法をメンバーに行ってもらいました。ワークショップ中は我々卓長が各テーブルを周り調整を行うなどしました。マンダラートでは説明不足な点があり、抽出が上手くいかない人などいました。KJ法でも上手くまとめることができない人がいるなどして、マンダラートからやり直すこともありました。

マンダラートを用いて、自身の好きなモノの好きである要素を抽出します。自身の好きなもの8つに対して行い、計64つの要素にカード化します。

KJ法を用いて、マンダラートでカード化した要素のグルーピングを行います。この時、見出しとなる言葉を体験価値とします。

6/29~ 制作(プログラム)

進捗報告会

個人で制作を進めるだけではメリハリがないので進捗報告会を隔週で行いました。ここでは卓長が進捗を確認し、次に何をすべきか話し合うなどしました。アイディアが固まっていないメンバーの相談に乗るなどもしました。(報告する進捗がないので行かないというメンバーが少なくなかったため、会の名前などをもう少し工夫すべきだったかもしれません。また、卓の活動曜日と文化祭関連の活動曜日が被ってしまい来れないメンバーがおり、卓の活動曜日を変更すべきだったかもしれません。)

Unity講習会

メンバーのほとんどがUnityで実装することになったので講習会を行いました。進捗報告会のない週に行い、集まったメンバーで作業を進めるというものです。全体として暖房が担当し、私はちょっとしたコードやuGUIなどを教えました。ここでも3年生に協力してもらい運営することができました。(こちらも進捗報告会と同様、文化祭関連の活動曜日が被ってしまい来れないメンバーが多くいました。)

夏休み

活動日を増やす

夏休みは、活動日を週一日から卓長のバイトがない日である週五日に変更しました。大学のある期間はメンバー同士の予定が安定していますが、夏休みとなると個人によってばらつきが出るため、後輩一人一人の都合の良い日に相談や作業に来れるようにする対策です。

ログインボーナスの実施

夏休みは講義がなく、大学に来る予定が減ります。完全な個人作業ではよくないと考え、大学に来て作業するフックとしてのモチベーションをこちらで用意する必要があると考えました。
夏休みに入るにあたり暖房と話し合い、小学生時代に行なった「ラジオ体操出席カード」のような制度を導入したいと考えていました。しかし、大学に来てスタンプを貰うだけでは動機として弱いと感じ、何かしらの報酬が必要と考えたのです。ただ報酬で言えば、これまでの活動でもお菓子を差し入れるなどしていました。ですがやはり参加の動機としては弱かったようです。この二つを上手く組み合わせて、大学に来る動機にしたいと考えました。
結果、採用したのが「ログインボーナス」でした。

「ログインボーナス」というテーマを選んだ理由は「ゲームをするメンバーが多い」「来て欲しいことが伝わる」「卓長が楽しんでいることが伝わる」などです。
「ログインボーナス」を行うにあたり、動画で広報した理由もいくつかあります。文字だけでは「インパクトがなく流されやすい」「理解しにくい」、動画にすることで「ゲームの再現がしやすい」「読む面倒臭さがない」などです。

また「ログインボーナス」をグループLINEという閉じたSNSで行わず、Twitterという開けた媒体で行った理由もあります。「Twitterにいる頻度の高いメンバーがいる」「フィードバックを受けやすい」などです。
卓長が大学に着いたことがわかるように、ログインボーナスを受け取った写真を投稿するなどしました。
卓展間近では忙しさから続けることができなくなり、投稿は途中でやめてしまいました。

設営

主な仕事

メンバーの割り振り

卓展前日、参加可能な卓メンバー達で設営を行います。人数に余裕があるので、私はメンバー達への指示を優先して行いました。

展示

スタジオ

芸工棟三階にある「映像スタジオ」が展示場所となりました。モーションキャプチャ用のカメラなどが設置されているのでそれらを移動しました。ここには展示に使える机や椅子がないので一階から持ち込みます。作品展示用の机7つと椅子20つ、受付用の机1つ持ち込みます。運搬にはエレベーターを用いましたが、机が重く大変でした。
スタジオへの搬入時、机を転がして移動したせいでマット固定用のテープが剥がれましたが、撤収時にはその反省を生かして気をつけました。テープの貼り直しも行いました。

キャプション・札

作品の説明体験価値を元に作品を制作したので、それを示すものが必要と考えました。パッと見渡した時にどの作品がどのような体験が得られるか分かるよう、体験価値を札として立たせました。また、作品名や概要は作品のすぐ横に寝かせて置きました。メンバーで分業して作成しました。

各作品のキャプションや展示作品が満たす体験価値を示す立て札などを用意しました。

土足禁止

展示箇所である撮影スペースは土足禁止です。普段は何も印がなく分からないため、ビニルテープを使って土足禁止の境界靴の置き場をメンバーに作ってもらいました。
また、別のメンバーに土足禁止である旨を伝えるためのパネルのデザインを頼みました。こちらは境界線の向こう側に置きに使用しました。
裸足が嫌な人のためにスリッパを用意しましたがあまり使用する人はいませんでした。

土足禁止を示すパネルと境界線、靴を置く場所を作りました。写真ではパネルが倒してありますが、後々見やすいように支えをつけて立たせました。

最初は裸足のアイコンの上に禁止マークがありましたが、意味が異なってしまうので除きました。

バナー

卓展のグラフィックを担当する四年生が、各卓ごとに「ロゴ」「概要」「メンバー」の載ったバナーをまとめて印刷してくれます。これを入り口付近に立てるのに加え、Xequalの活動内容をまとめたバナーを作ろうと考えました。おおまかなデザインや文言などはメンバーにお願いしました。

準備してもらったバナー(左)を立て、卓の活動について大まかに説明したバナー(右)を用意しました。

その他

展示場所はわかりにくい場所にあったため、メンバーが進行方向を示す矢印を作ってくれました。他にも展示場所全体の掃除をしたり、感想用の用紙を準備するなどしました。途中差し入れがあったり、一部メンバーは徹夜で開発を続けるなど大変でした。
撤収時には準備時よりもスムーズに片付けを行うことができました。

まとめ

当初の目標

"UXとプログラムを学ぶ卓"

おおよそ達成されたと思います。一年生はプログラミングでゲームを作れるようになったり、二年生は新しいものに挑戦したり、学習の機会としては十分であったと思われます。ただ、私としてはもう少しUXに関わる学びを増やすべきだったと思いました。一度で理解することが難しい内容なので、卓の活動の後半に製作中の作品を元に復習し直すのも良かったのかもしれません。

"たのしい卓"

この点に関しては判断ができません。
ただ、私自身はとても楽しかったです。卓のブランディングを楽しむことができたおかげか、卓そのものへのモチベーションも維持し続けられました。途中、ロゴをあしらったメダルを作ろうとしたり、メンバーの3Dモデルを3Dプリンターで出そうとしたり、結局叶わなかったことも多かったですがそれもまた十分楽しめたと思います。

記録について

写真を撮る

写真はたくさんとっておく必要があります。卓の活動はもちろん、それより前の計画の段階も記録にとっておくと良いと思います。この卓では写真が少し不足しているように感じました。

文章化しておく

卓のコンセプトや活動内容などがはっきりしていると文章化しやすく記録にしやすいです。なんとなくの装飾であったり、中身がはっきりとしないことはまとめにくいです。この卓では制作期間に関する文章化が足りないように感じました。